オウンドリセールとは?ブランドが公式に中古・再販を管理する新しいEC戦略の方法を解説。実践方法もご紹介

オウンドリセールとは?ブランドが公式に中古・再販を管理する新しいEC戦略の方法を解説。実践方法もご紹介
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近年、D2Cブランドやアパレル業界を中心に、オウンドリセールという新しい販売手法が注目されています。これは、ブランド自身が公式に商品を再販する仕組みで、信頼性を保ちながら循環型の消費に対応できる点が特徴です。従来の中古市場では管理が難しかった品質や正規品かどうかの見極めも、ブランド自身が関わることでコントロール可能になります。

オウンドリセールとは何か

オウンドリセール(Owned Resale)とは、ブランド自身が中古やリファービッシュ商品(一度市場に出た製品をメーカーや認定業者が点検・修理・清掃し、新品に近い状態に再生したもの)を公式ルートで再販する仕組みを指します。ポイントは「第三者に依存せず、ブランドが直接管理する」点です。従来の中古市場では、商品の状態や正規品かどうかの判断にばらつきが生じやすく、消費者が購入をためらうケースも少なくありませんでした。一方、オウンドリセールでは、ブランドが商品の状態を保証し、公式ECや自社アプリを通じて販売することで信頼性を高めることが可能です。

また、単なる中古販売と異なり、オウンドリセールはブランド価値の維持や循環型消費への対応、顧客データの取得など、多面的なメリットがあります。企業側にとっては、新品販売だけでなく、リセール市場を戦略的に活用する新しい手段として注目されています。

オウンドリセールが注目される理由

ブランド価値の維持

公式管理下での再販は、中古市場で起こりやすい価値の下落を防ぎます。たとえば限定商品やコラボアイテムは、無秩序に流通すると希少価値が損なわれる可能性がありますが、オウンドリセールでは流通ルートをブランド自身がコントロールできます。これにより、ブランドイメージやプレミアム感を維持しながら、ファンとの関係を深めることが可能です。

サステナビリティ対応

環境意識が高まる中、廃棄削減や資源の有効活用は企業の責任でもあります。オウンドリセールでは、使用済みや返品された商品を再販・リファービッシュすることで、廃棄を減らし資源を循環させる消費に貢献できます。特に若年層やエコ意識の高い顧客に向けて、サステナブルなブランドイメージを訴求できる点も大きな魅力です。

顧客関係の強化

ブランドが自社で再販を行う場合、顧客データを取得・分析しやすくなります。誰がどのタイミングで再販商品を購入したのかを把握できるため、リピート購入の促進や個別プロモーションへの活用が可能です。さらに、公式ECでの再販は顧客との接点を増やし、ロイヤルティ向上につながります。

オウンドリセールにおける「物流の壁」

オウンドリセールが持つ可能性は非常に魅力的です。しかし、いざ導入を検討する際、多くのEC事業者様が直面するのが「物流の壁」です。通常のEC物流とは全く異なる特殊なオペレーションが求められるため、事前にその課題を理解し、対策を講じることが成功の鍵を握ります。

返品・査定・再販における煩雑な物流プロセス

オウンドリセールは、単に商品を倉庫から出荷するだけでなく、「購入者からの返品受付」「商品の状態に応じた査定」「再梱包」「再販」という、通常のEC物流にはないプロセスが発生します。

特に、返品された商品を一つひとつ検品し、商品の状態(新品同様、美品、使用感ありなど)を正確に査定する作業は、非常に手間がかかります。査定基準が曖昧ですと、顧客からの信頼を失いかねませんし、査定に時間がかかると、再販までのリードタイムが長くなり、販売機会を逃すことになります。

また、商品の状態ごとに細かく在庫を管理する作業も、通常の在庫管理とは全く異なります。たとえば、「中古AランクのTシャツ、サイズM」といった形で、状態と商品情報を紐づけて管理しなければなりません。この作業を手作業で行うのは非常に非効率で、間違いも発生しやすくなります。

通常のBtoC物流とは異なる倉庫の運用体制

オウンドリセールを内製化する場合、通常のBtoC物流とは異なる倉庫の運用体制を構築する必要があります。

まず、返品された商品を検品・査定するための専用スペースが必要です。通常の出荷作業とは切り離し、静かで、商品の状態をしっかり確認できる環境を整えなければなりません。さらに、正確な査定を行うためには、商品の知識を持った専門人材の育成も欠かせません。

次に、状態別に商品を保管するロケーション管理も重要です。同じ商品でも、新品とリユース品では保管場所を分ける必要があり、リユース品の中でも状態(Aランク、Bランクなど)によってさらに細分化しなければなりません。この管理がずさんになっていると、せっかく査定した情報が台無しになり、誤出荷の原因にもなります。

そして再販時には、商品の状態に合わせて最適な梱包材を選び、きれいに再梱包する手間も発生します。新品の出荷よりも繊細な作業が求められるケースが多いです。

オウンドリセール導入時に検討すべき外部パートナーの活用

「自社でそこまでやるのは現実的ではない…」と感じた方も多いのではないでしょうか。現場での肌感覚としては、この「物流の壁」が、オウンドリセールの導入に踏み切れない最大の要因になっているケースが多いと感じます。

だからこそ、外部の物流パートナーをうまく活用することが、成功への近道となります。

物流パートナーに求めるべき専門性と対応力

では、どのような物流パートナーを選べばよいのでしょうか。単純に「倉庫スペースを提供してくれる」だけでは不十分です。物流パートナーを選ぶ際には、以下の3つのポイントを意識することが大切です。

1つ目は、「返品・査定・再販プロセス全体を一括で任せられるか」です。査定基準の策定から検品、再梱包まで、一貫してサポートしてくれるパートナーを選ぶことで、自社の負担は大幅に軽減されます。

2つ目は、「検品スキルや中古品の取り扱いに関するノウハウを持っているか」です。アパレルや精密機器など、商材によって検品ポイントは異なります。長年の実績と経験から、貴社の商材に合わせた最適なオペレーションを提案してくれるかどうかが重要です。

3つ目は、「システム連携による在庫の一元管理が可能か」です。新品とリユース品、そして状態別の在庫情報をシームレスに連携できなければ、販売機会の損失や過剰在庫につながります。貴社のECシステムと連携し、在庫情報をリアルタイムで共有できるシステムを持っているか、必ず確認しましょう。

まとめ:オウンドリセール成功のカギは“物流品質”にあり

オウンドリセールは、ブランドが公式に再販を管理することで、信頼性・ブランド価値・顧客関係を同時に強化できる戦略です。EC事業者にとっては、循環型消費への対応とデータ活用を両立できる新しい手段として有力であり、サステナビリティや顧客ロイヤルティ向上にもつながります。自社ブランドの特性や顧客層に合わせた戦略設計が成功の鍵です。

また、商品が届いた瞬間の体験もブランドの印象を左右します。中古品であっても丁寧に検品され、安心感のある梱包で届くことが、リピートやファンづくりにつながります。

パスクリエが提供するEC物流代行サービス 「LogiPath(ロジパス)」 では、返品商品の受け取りから検品・再出荷までを案件に応じて柔軟にカスタマイズできます。

・ブランドに合わせた梱包や同梱物の演出まで手が回らない

・複数の販売チャネルを運営しており、在庫管理が煩雑になっている

・返品処理や交換対応に時間を取られ、本来のマーケティングに集中できない

といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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